今週末土曜日の13時からNHK教育で「こころの時代」が再放送されるみたいです。
辺見庸の言霊を、今一度受け取る事が出来ると思うと武者震いがする。
言葉のキャッチボールではないんで、
持ってるモノを全て脇に置いとかないと倒されるかも。
俺はやっぱり、人の持つ魂に惹かれます。
3.11以降
辺見庸
「死者にことばをあてがえ」
わたしの死者ひとりびとりの肺に
ことなる それだけの歌をあてがえ
死者の唇ひとつひとつに
他とことなる それだけしかないことばを吸わせよ
類化しない 統べない かれやかのじょだけのことばを
百年かけて
海とその影から掬(すく)え
砂いっぱいの死者にどうかことばをあてがえ
水いっぱいの死者はそれまでどうか眠りにおちるな
石いっぱいの死者はそれまでどうか語れ
夜ふけの浜辺にあおむいて
わたしの死者よ
どうかひとりでうたえ
浜菊はまだ咲くな
畔唐菜(あぜとうな)はまだ悼むな
わたしの死者ひとりびとりの肺に
ことなる それだけのふさわしいことばが
あてがわれるまで
俺もはやくこんな詩が書けるようになりたい。