岡山の山奥に『龍泉寺』というお寺あり。
此処は何処の誰でも自由に滝修行ができる。
最近のちょっとしたマイブーム。
年末年始の寒いこの時期、冷水に2秒も打たれれば逃げ出す始末。
それを繰り返し繰り返す。
少し強くなった気がして思い上がる。
滝修行してる自分に酔って勘違い。
先日、そんな目出度い自分の前に一人の白髪の紳士が現れた。
白装束の正装で塩を撒き、柏手を打ち、
お経に真言、祝詞を唱えながら優に10分以上は滝に打たれている。
その姿が余りにも勇ましく神々しかったので思わず声を掛けた。
「あんなに長くこんなに冷たい水に耐えるには相当な鍛錬がいるんでしょうか?」
するとその白髪の紳士は真っ白なタオルで
身体を拭きながら言った。
「そんなことはありません。
ただやっぱり神様を信じてますから。」
この言葉を聞いて、正に目から鱗。
自分が今までいかに中途半端な覚悟で滝修行していたかを痛感。
そうだ、此処に来る人達は皆んな『神様』を本気で心から信じてるんだ。